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妖精が舞う空 

 雑草社から出されている小説レビュー誌「活字倶楽部」。
 同人誌も好きな若い女性向けの雑誌だが、今年の夏号においては神林長平特集を組むとのことだ。
 彼の代表作である「戦闘妖精・雪風」がハヤカワSFマガジン誌に登場してから、来年の2004年でなんと25周年となる!
 それなのに、いささかも古さを感じさせないのは、神林氏が小説で描いた虚構世界が、ある種のリアリズムに裏打ちされ、現実との乖離を防いでいたことに起因すると思う。特にコンピュータについての描写は、いわゆる「パーソナル・コンピュータ」や「ネットワーク」以前のものとは思えないくらいだ。続編の「グッドラック 戦闘妖精・雪風」は1992年からの連載開始であるが、これすらも「Windows'95」以前の作品であるから驚きだ。

 大体のあらすじはこんな感じ。

 南極に突如開いた超次元通路を抜け、未知の戦闘機が地球に襲来。人類はこの敵機をジャムと呼称。地球から撃退すると同時に通路を逆侵攻。ジャムの母星と思われる惑星へと到達し、フェアリィ星と名づける。
 主人公、深井零は、フェアリィ星の最前線においてジャムと人類の過酷な空中戦を監視・記録し、ジャムの正体を探る戦術偵察の任務についている。
 収集したデータを必ず持ち帰るために、彼が所属する部隊には「味方が全滅しても必ず帰還せよ」の厳命が下されている。その任務遂行のために配備されているのが、最速にして最強、人工知性搭載の戦術戦闘偵察機スーパー・シルフィード。そして、深井零の愛機は、独自の思考と自我すら持つ「雪風」であった……。

 この作品は、映画、アニメで多く語られる、人類とインベーダーの闘争のエピソードのひとつではある。しかしながら、精緻きわまる航空機の描写がSFファンのみならず、航空機ファンすらも魅了し続けている希有の作品である。
 未読の方はぜひとも、ハヤカワ文庫の書棚へ!
永瀬 晴隆 静岡 男 32-34才 mail 2003/06/01日22:54 [53]
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